卵子提供サイクルについて

卵子ドナーが、すべてのスクリーニング検査に問題なく合格する

卵子提供サイクルを開始します。

 

提供サイクルの詳しいプロセスは、治療院ごとに違う場合があります。通常は、周期同期化期、卵子刺激期、卵子採取期を含みます。

周期同期化: 提供プロセスの開始時点で、卵子提供者と卵子受容者の月経周期を同期化します。通常、このプロセスは受胎調節ピルを服用して月経周期のタイミングを操作して行います。
卵子刺激:
通常の月経周期では、卵巣から1個の成熟卵しか排出されません。しかしながら、卵子提供プロセスでは、受容者を妊娠させるために、複数の成熟卵を得る必要があります。治療院のスタッフが、ホルモンの自己注射を指導し、約2週間程、毎日注射します。このホルモン剤は、月経周期で女性の身体から作られる、自然のホルモンと同じように機能しますが、濃度は高くなっています。したがって、卵子採取処置の時点では、複数の卵子が成熟しているのがふつうです。 この期間に、提供者で、注射部位の周りのひりひり感、赤み、軽度のあざのほか、不機嫌、乳房の痛み、卵巣の拡大、軽度の体重増加がみられることもあります。このホルモン注射で「卵巣過剰刺激症候群」 (OHSS) が生じることもあります。軽度のOHSSの場合、腹痛、お腹の張りやふくらみが生じることがあります。こうした症状は、卵子採取後の最初の月経がくると、なくなるはずです。しかし、まれに (1 ~ 3%) 入院が必要になることがあります。 提供者は、ホルモン注射中、治療院で血液検査や膣超音波検査を頻繁にモニターする必要があります。その結果をもとに、治療院では卵胞の発達を正しく評価し、提供者がホルモンを適切に注射していることを確認できます。こうしたモニタリングは、同じ治療院で完了する必要があるとする治療院もありますが、サイクルの最後の数日までは提供者の都合のよい地域の治療院でモニターしてもよいという治療院もあります。ほとんどの治療院では、早朝 (午前7時~9時) にこうしたモニタリングを行っています。
卵子採取:
卵胞の成熟が予定通りであることを体外受精医が確認した後で、提供者からの卵子採取処置日を決めます。卵子採取処置では、提供者の卵巣から、成熟卵を取り出します。提供者に、全身麻酔をかけます。医師が、膣超音波画像を見ながら、長い針を使って膣から卵子を吸引します。採取時間は全体で約 15 ~ 20 分です。 この処置では身体を切ったり縫ったりすることはありません。全身麻酔をして行います。また、提供者は、眠っているので何も感じたり気づいたりしないはずです。

この処置後、提供者は、治療院で麻酔から1 ~ 2 時間回復させます。その後付添人付きで帰宅できます。帰宅したら、その日は安静にしてください。1 ~ 2 日は、お腹の張り、けいれん、膣からの出血がみられることがあるためです。不快感があればタイレノールを服用してもかまいません。採取が終わると、体外受精実験室で、卵子を男性受容者または男性提供者の精子と混ぜてできるだけ多くの胚を受精させます。

ほとんどの提供者は、採卵処置の翌日から通常の活動 (激しくない運動) を再開できます。